ベトナムでは2018年8月に公安省組織改編が行われ、市、省レベルの消防が警察の管轄に置かれる事となった。
ベトナムではこの機関の呼び名は(PCCC)と略されている。
消防警察部隊の化学薬品への関連としては、下記の点となる。
1.防火訓練の実施(消防訓練修了証書の発行)
2.保管建屋の審査、承認、消防同意を行う
3.違反行為の監査、処分
4.可燃物、爆発物の運搬許可証を発行する
となっている。
新組織となった事で、日系企業の中でも下記の点から多数の問題が発生しており
ハノイ市から始まった監査、罰金、設備修正指示が今後各省へと波及してくると予想されている。
問題が起きている原因は下記である。
前提としては、建屋、使用薬品については、消防局の正式ライセンスを取得する必要がある。
問題1.消防法が何度も改正されており、本来であれば最新の正式ライセンス(サブライセンス)を
書面で取得しておく必要があるが、現実的には難しい状況である
問題2.工場建設の際に取得している消防ライセンスの図面から、
建て増し、改装、新ラインの設置等を行った場合には都度、
正式ライセンスの修正またはサブライセンスを文書にて取得しておく必要があるが、
(屋根を少し広げた)(駐車場を作った)等、小さい工事に関して
確認を怠っていたケースが見られる。(過去の消防局であれば見逃されていた)
問題3.生産工程、排水処理で使用する薬品については、使用薬品の量、種類、保管場所が
変わった場合には、都度確認を受け、書面で許可を得ておく必要があるが、
新しい薬品を使用する度、または使用量が変わる度に報告、許可を得るのは
現実的に難しい。
過去の消防局で慣例的に見逃されていたケースで火災が起きた場合に、
今後、新しい警察庁責任者が責任を取る必要が出てしまった為、
この見逃されていたケース全件について、処分を通達、また消防局の再許可申請を
要求する事となっようである。
処分については、およそ 6000万ドンが一律に課されそうとの予想もあるが、
悪質と判断されたケースに対しては、高額な罰則が発生する可能性がある。
薬品保管の設備については、2018年度頃よりスプリンクラーの設置について
一番厳しい指摘がされており、薬品の種類によっては泡スプリンクラーが
絶対に必要との指導が当局からなされている。
設置費用が数千万円に上る場合もあり、非常に大きな負担となっている。